歯周病について
国民病とも呼ばれる歯周病は、歯を失う大きな原因です。日本人は、80歳以上になると4~5本の歯しか残っていないと言われています。
歯周病は歯石・プラーク中の歯周病菌が原因で、感染すると歯茎に腫れや炎症が起こり、悪化すると出血・膿・口臭などの様々な症状が現れます。歯周ポケットが深くなり、歯槽骨が溶けて歯を支える力が弱くなると、歯が動揺し始め最終的には脱落してしまうのです。
歯周病を放っておくと、さまざまな問題が起きてしまいます
歯周病になると、一体なにが怖いのでしょうか?
決して他人事ではない歯周病の本当の脅威についてご説明します。
歯周病の脅威
歯周病菌は歯の表面に存在しているだけでなく、出血部位などを介して体内にも入り込んでくるやっかいな細菌です。血管から侵入した歯周病菌は心臓で炎症を起こすため、歯周病の人は通常よりも2~3倍ほど心臓病のリスクが高いと言われています。
その他にも高血圧や糖尿病などの様々な全身疾患にも深く関係してきますので、症状の軽いうちに早期発見・早期治療を行うことが重要です。
歯周病が巻き起こすリスクの具体例
-
心臓病(心筋梗塞など死に直結する病)
-
呼吸器疾患(肺炎・喘息・咽頭炎)
-
早産を引き起こし、乳幼児の死亡率が高まる(子宮を異常収縮させる)
-
糖尿病(インスリンの効果を低下)
歯周病菌はお口の中への悪影響はもちろん、全身の病気のもとになり得ることが本当の脅威と言えるでしょう。
今すぐ歯周病チェックをしてみよう!
「歯周病は徐々に進行するため、痛みなどの自覚症状があまりありません。そのために予防がおろそかになり、気づかぬうちに症状を悪化させてしまいます。
しかし、健康予防と同じように日常のケアをしっかりすれば防ぐことができます。下記の事項に当てはまる人、これまで気にされたことのない人もこの機会にチェックしてみましょう。早期発見、早期治療が歯の健康寿命を延ばすポイントになります!
- 朝起きたとき、お口の中が粘(ネバ)つく
- 歯は磨いているのに口臭が気になる
- 歯磨きの時に歯ぐきから出血した経験がある
- 疲れた時に歯が浮いた感じがする
- お口の中が常にネバネバしていると感じる
- 歯ぐきの色が赤黒くなって気になる
- 物を噛んだ時に痛みを感じる
- 歯がぐらぐら揺らぐ
- あまり歯を丁寧に磨いていない
- 家族に歯周病と言われた人がいる
- お薬を沢山飲まれている
- 妊娠の可能性のある方がご家族にいる
Q&A
歯周病 よくあるご質問
歯磨きがしっかりできておらず、プラークが増えると歯周病の原因になりますが、その他にもいろいろな原因があります。
歯ぎしりやくいしばり | 歯ぎしりやくいしばりをすると、歯を支えている骨(アゴの骨)に影響を与え、歯周病の進行を早めます。 |
---|---|
甘い食べ物 | 砂糖(ショ糖、シュクロース)が細菌の一番の栄養源になって、プラークの成熟を助け、歯周病の原因となっています。 |
タバコ | 喫煙は歯周病菌の増殖を助長し、歯肉の抵抗性を減弱させます。その為、歯周病の進行を早め、歯の寿命を短くします。 |
自分だけ気を付けていれば安心ですか?
歯周病は「細菌感染症」であるとご説明しました。歯周病はもともとお口にいない菌なのです。お分かりでしょうか? そう、歯周病菌が発生する原因は人から移されることなのです。箸の使いまわし、回し飲み、回し食い、キス、くしゃみ、これらが感染ルートとなるのです。普段、生活を共にする誰か1人が感染してしまうと、ご家族全員が危険にさらされます。非常にリスクが高まってしまうのです。
80歳はまだまだ先なのですが…
昨今は人生100歳時代と言われています。80歳なんて、まだまだ・・・なんてお思いの方は要注意!80歳で20本の健康な歯を残すためには、少なくとも3ヶ月に1度は、定期的に検診と歯周治療を受けましょう。歯周治療が終わっても、そこで気をゆるめてしまうと、歯周病が再発する危険があります。下記の年齢別平均残存歯の表をいれておりますのでご参照ください。
15~19歳 | → | 28.0本 |
20~24歳 | → | 28.6本 |
25~29歳 | → | 28.5本 |
30~34歳 | → | 28.3本 |
35~39歳 | → | 27.6本 |
40~44歳 | → | 26.9本 |
45~49歳 | → | 25.2本 |
50~54歳 | → | 24.1本 |
55~59歳 | → | 22.2本 |
60~64歳 | → | 20.4本 |
65~69歳 | → | 16.8本 |
70~74歳 | → | 12.7本 |
75~79歳 | → | 9.0本 |
80~84歳 | → | 7.4本 |
85歳~ | → | 4.0本 |