歯を失ったら治療の選択肢にインプラントを
虫歯や歯周病、歯根破折などで抜歯が必要となったら、歯を補う治療を必ず受けるようにしましょう。一本の歯の喪失の場合、保険適用の部分入れ歯を選択する方は多くいらっしゃいますが、そのほかの治療法についてはご存知でしょうか。もしももっと違和感が少なく、噛みやすい治療をお求めであれば、インプラント治療が最適です。
インプラントは人工歯根を歯肉に埋め込み、そこに人工歯を装着することで歯を補う治療法です。手術が必要ですが、多くのメリットがあります。ここでは歯を失ったら治療をすべき理由とインプラントのメリット・デメリットをご説明します。
歯が抜けたままにしていると咬合崩壊のリスクも
歯が抜けたまま放置したり、治療途中で歯医者に通うのを止めてしまったりした人が時々見受けられます。1本の歯を喪失しても、食事に関しては他の歯で噛むことで何とか補えるかもしれませんか、お口の状況は悪化するリスクがあります。そのため、必ず治療を受けてください。
歯は舌や唇、隣の歯や噛み合わせの歯から力を常に受けながら、一番均衡が取れた場所に留まっています。これが一本歯がなくなると、今まで押していたものがなくなるため、押されていた歯は空いた空間に傾斜してしまいます。また噛み合わせの歯は挺出してきます。このようにして咬合崩壊が起きると、今度は噛み合わせの治療も必要となってしまうのです。
インプラント治療のメリット
- 自然に近い噛み心地
- 毎日取り外す必要がない
- 美しい仕上がり
- 歯槽骨の吸収を防ぐ
インプラント治療のデメリット
- 長期にわたる治療期間
- 保険適用外
- インプラント周囲炎に弱い
- 顎骨の不足や全身疾患などの不適応症がある
当院で使用しているインプラント
現在、デンタルインプラントを製造しているメーカーは世界中で150社以上あると言われています。インプラント治療の成功は術者の技術力によるものが大きいですが、製品の違いによって、治癒の仕方や品質に違いがあるのも、また事実です。
当院では日本人が日本人のために開発したスプライントという製品のほか、京セラ社製のインプラントを使用しております。日本人の顎に適応しやすいインプラントシステムという観点から、この2種のインプラントを採用しております。
インプラント治療の流れ
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診察
まずは患者様の歯の欠損に関するお悩みや希望の治療をお伺いします。インプラント治療を受けるには、充分な顎骨の量があることと、手術に適さない全身疾患がないことといった条件があります。
顎の骨などを調べるため、頭部・顎部のレントゲン撮影、口腔内写真撮影、噛み合わせを確認します。
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カウンセリング
診断結果をお話し、カウンセリングを行います。ここで、患者様の歯の欠損に関するお悩みや希望の治療をお伺いします。その後、インプラント治療に関するご説明し、治療計画を立てていきます。
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歯周病の治療
他の歯に歯周病があるとインプラント周囲炎のリスクとなりますので、インプラント治療の前に歯周病の治療を先に行います。治療期間中に再発しないよう、プラークコントロールの方法もご指導します。
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インプラント手術
インプラントを歯肉に埋入する手術を行います。何時間もかかるものではなく、一本であれば普通の虫歯治療と同じくらいの時間で終わります。
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被せ物の製作
手術から一週間ほど経過したら抜糸をし、インプラントに仮歯を付けます。人工歯根が生着したら、土台に人工歯を装着します。手術後の治癒にはしばらく期間がかかります。
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メンテナンス
インプラントを長持ちさせるのに一番大切なことは、日ごろのケアとメンテナンスです。プラークコントロールをしっかりと行うことが大事です。
不潔にしていると、インプラントの周囲に炎症が起き、最悪の場合脱落することがあります。定期検診を忘れずに受診ください。